今からおよそ3600年前紀元前1600年頃、地中海に生きるフェニキアの人々は貝で紫色を染めていました。ひとつの貝からわずかしか採れないこと、赤味の紫がえもいわれぬ妖艶な色合いを見せることからとても珍重されました。
やがて地中海のギリシャ・ローマの帝王に愛され、彼らの衣服の象徴の色となっていきました。これが帝王紫、ロイヤルパープルと言われるゆえんでもあります。
貝からピンセットでパープル腺を取り出します。
1gの染料を得るために約2000個の貝が必要とされた大変貴重な貝紫染。その技法はきわめて困難なため15世紀の末には滅びてしまい幻の色と言われています。
日本では、志摩の海女たちがその液を松葉につけて自分の手ぬぐいに印をつけそれをお守りにする風習があったといわれています。
連載 季の彩〜ときのいろどり〜
基礎知識 青・赤・紫|色の日本史|色の語源|色の材料|伝統色100色