紫
   

 
貝紫染め
中国や日本では、紫色を植物染料から得てきましたが、古代フェニキアでは貝を使った紫の染色が行われていました。アクキガイ科の貝の内臓には、パープル腺という特殊な腺があり、これを取り出して太陽に当てると黄色から赤味がかった紫色に変化します。
紫ものがたり イボニシガイ:アクキ貝科 
学名:ThaisInteostma HOLTEN
紫の色素を含むパープル腺を持つ貝はアクキ貝科のものに限られる。イボニシ貝は日本に分布。他に地中海、メキシコ、ペルーなどにも分布する種類がある。

 

動画

 

5世紀頃のコプト裂
今からおよそ3600年前紀元前1600年頃、地中海に生きるフェニキアの人々は貝で紫色を染めていました。ひとつの貝からわずかしか採れないこと、赤味の紫がえもいわれぬ妖艶な色合いを見せることからとても珍重されました。

サン・ビターレ教会のモザイク画






やがて地中海のギリシャ・ローマの帝王に愛され、彼らの衣服の象徴の色となっていきました。これが帝王紫、ロイヤルパープルと言われるゆえんでもあります。

 
アクキガイ科イボニシガイ
これは日本の海で採れたアクキガイ科のイボニシガイです。
貝を砕く
この小さな貝を砕きます。
パープル腺
このアクキガイ科の貝の内臓にはパープル腺という特殊な腺があります。
パープル腺を取り出す

貝からピンセットでパープル腺を取り出します。

 
黄色い色
取り出したときは黄色い色をしています。
 
丁寧に取り出す
ひとつずつ丁寧にパープル腺を取り出していきます。  
 
乳鉢
根気よく取り出されたパープル線を乳鉢に入れておきます。
絹の布に絵を描く
これを筆につけて絹の布に絵を描きます。
最初は黄色い色
最初は黄色い色をしていますが
太陽の光で緑に
太陽の光があたると黄色から緑、
緑から青を経て紫色に
緑から青を経て、やがて紫色に変わって行きます。
みごとな紫色に
みごとな紫色になりました。

古帛紗
1gの染料を得るために約2000個の貝が必要とされた大変貴重な貝紫染。その技法はきわめて困難なため15世紀の末には滅びてしまい幻の色と言われています。

海女のてぬぐい







日本では、志摩の海女たちがその液を松葉につけて自分の手ぬぐいに印をつけそれをお守りにする風習があったといわれています。

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