和文化サラダは日本文化のエッセンスを
サラダボウルのようにいろいろ体験できる講座です。
季節をテーマとして、その道の先生に優しく楽しく語っていただきます。

これは和の学校ボランティアスタッフが「サラダ隊」となって
それぞれの感性で書く「和文化サラダ」レポートです。

平成18年10月〜平成19年3月 講座内容と各先生のプロフィールはこちら。

平成19年4月〜9月 講座内容と各先生のプロフィールはこちら。

読売新聞ホームページでも掲載されました。


和文化サラダ 第11回 平成19年9月8日(土)


   〜旧暦を暮らそう〜
 
レポート:サラダ隊 金時にんじん  写真:松田耕治

第1部 第1部 松村 賢治 さん 講演
丁寧に旧暦のお話をしてくださる
松村賢治さん。

私達が普段使っている暦は、
太陽の動きを基にした太陽暦(グレゴリオ暦)。

地球が太陽の周囲をまわる日数を
1年として考えます。

1年は約365.24日で、4年に一度、
閏年を挿入して端数を調整しています。

これに対し、
月の満ち欠けを基準にしているものが、
「太陰暦」。

イスラム社会では未だ使われている暦で
1年は約354日です。

太陽の動きとは連動していないため、
太陽暦とは
年間約11日のずれが生じます。

日本で言う「旧暦」とは
太陰暦を元にしながらも、
太陽暦によって
季節の命名を行う「太陰太陽暦」。

1ヶ月の長さは
月の満ち欠けによって決定しますが、
太陽の黄道を
24等分する点である
二十四節気(にじゅうしせっき)を
季節の目安とし、
太陽暦との誤差を調整するために
「閏月(うるうづき)」を
約3年に1回挿入します。

二十四節気の名称は以下の通りです。

節気
中気
立春(正月節)
雨水(正月中)
啓蟄(二月節)
【春分】(二月中)
清明(三月節)
穀雨(三月中)

 
節気
中気
立夏(四月節)
小満(四月中)
芒種(五月節)
【夏至】(五月中)
小暑(六月節)
大暑(六月中)

 
節気
中気
立秋(七月節)
処暑(七月中)
白露(八月節)
【秋分】(八月中)
寒露(九月節)
霜降(九月中)

 
節気
中気
立冬(十月節)
小雪(十月中)
大雪(十一月節)
【冬至】(十一月中)
小寒(十二月節)
大寒(十二月中)

※月の名前は「中気」で決定されます。つまり、「雨水」がある月が一月になるというわけです。


2007年の場合(年によって変わります)
旧暦
節気
中気
新暦
師走 十二月(冬)   二日 大寒 1月21日
十七日 立春   2月4日
睦月 一月(春)   二日 雨水 2月19日
十七日 啓蟄   3月6日
如月 二月(春)   三日 春分 3月21日
十八日 清明   4月5日
弥生 三月(春)   四日 穀雨 4月20日
二十日 立夏   5月6日
卯月 四月(夏)   五日 小満 5月21日
二十一日 芒種   6月6日
皐月 五月(夏)   八日 夏至 6月22日
二十三日 小暑   7月7日
水無月 六月(夏)   十日 大暑 7月23日
二十六日 立秋   8月8日
文月 七月(秋)   十一日 処暑 8月23日
二十七日 白露   9月8日
葉月 八月(秋)   十三日 秋分 9月23日
二十九日 寒露   10月9日
長月 九月(秋)   十四日 霜降 10月24日
二十九日 立冬   11月8日 
神無月 十月(冬)   十四日 小雪 11月23日
二十八日 大雪   12月7日
霜月 十一月(冬)   十三日 冬至 12月22日
二十八日 小寒   1月6日
師走 十二月(冬)   十四日 大寒 1月21日
二十八日 立春   2月4日

※中気を含まない月は、
 翌月を閏月として繰返すことによって
 太陽暦とのずれを解消していきます。

「閏月」が挿入される年は
1年が13ヶ月あるため、
3月が2回ある年は春が長く
夏の始まりが遅い冷夏、
12月が2回ある年は長い冬になると
言われることが多いようです。

このことを知っていると、
ニュースで騒がれるような
「異常気象」ではなく、
ちゃんと暦通りに
季節が動いていくことがわかってきます。

旧暦は6世紀の初めに中国から伝わり、
四季の移り変わりが繊細な
日本の自然にあわせて
何度も改良を加えられてきた
世界で一番正確な暦だと
松村さんは主張しています。

農業国であったかつての日本では、
旧暦を長い間、生活の基準として使っていました。

明治6年に今の暦に改暦されて
約130年が経過しましたが、
現代社会においても、
農林水産業界だけでなく
季節に売上が左右される
衣料品メーカーや飲料メーカーの一部の業界で
この「旧暦」を見直そうという動きが起こっています。

自然のリズムにそった暦で生活することで、
マニュアルがなくても、作物の芽が出る時期がわかり、
栄養価の高い旬の食べ物がわかる。

それこそが「心のぜいたく」であり、
そんな風に自分で考える「知恵」を取り戻すことが、
今の日本で求められている「スローライフ」や「エコロジー」へと
つながっていくのではないでしょうか。

松村さんは、若い頃にヨットで世界一周をされました。
その旅で太平洋の島に住む人々の暮らしや時間軸に触れ
後に沖縄で旧暦に出会われたとのことです。
そのときのお話もしていただきました。

下段が松村さんの著書
『旧暦と暮らす』『庵を結び炭をおこす』
『続々と、旧暦と暮らす』
(上は和の学校が販売している本です。
詳しくはこちらをご覧下さい)
休憩時間には、多くの方が本を買われました。


第2部  旧暦のカレンダーを作ってみよう!


第二部では、
松村さんの著書
『旧暦と暮らす―スローライフの知恵ごよみ』」(ビジネス社)の
巻末についてある旧暦カレンダーをもとに、
各自で新暦、旧暦の対象図を作ることに挑戦しました。

約30分間の間に
完成させるのは難しかったかもしれませんが、
表の見方を覚えさえすれば、
自分で作ることが出来ます。

(松村さんの著作には
平成20年までの旧暦カレンダーが付録についています)




<新暦・旧暦対照図>
一番外側が太陽暦(新暦)、
真ん中が太陰太陽暦(旧暦)です。
真ん中の円に新暦の目盛りを付けていきます。

新暦と旧暦の傾きが大きいほど、
今の暦と旧暦との間のずれが大きくなるため
異常気象扱いされることが多いそうです。
 
<旧暦カレンダー>

旧暦では各季節が3ヶ月。
春(1月〜3月)、夏(4月〜6月)、
秋(7月〜9月)、冬(10月〜12月)
と決まっています。

旧暦カレンダーでは、各季節の3ヶ月を1枚にまとめることによって、
今が季節のどのあたりなのかが、ひと目でわかるようになっています。


皆さん熱心にカレンダーを作りました。
「うーん。わかったような、わからないような・・・」

「今日、すぐにはわからないと思いますが、何回かやっているとわかってきますよ」と松村さん。

本日のお菓子「月見団子」
京都市西京区の「伊津見屋」さん。

秋は実りの季節。
芋や栗などのお供えをして
楽しむ習慣があることから、
中秋の名月は別名「芋名月」とも呼ばれています。
サトイモの形をした白いお団子を
雲に見立てたこし餡で包んでいます。
ほっこりタイムでは
いつものように
いろいろな質問が飛び交いました。
他に松村さんは
「二十一世紀の方丈庵」という
手作りの小さなロッジを考案されました。
「座って半畳、寝て一畳」・・・
まさに鴨長明の現代版庵です。


サラダ隊 金時にんじん の思ったこと
本日のお花:
マンサクの葉、シロシキブ、ヤマシャクヤクの実。

花政

   ヤマシャクヤクは春にほんの数日咲く、
清楚な白い花ですが、
その実からは鮮やかな赤色がのぞきます。

ヨットで世界旅行をした経験をきっかけに、
現在、南大西洋諸国との
国際交流団体を主催し、
また建築家としても
田舎と都会の「二"住"生活」を
提案している講師の松村さんは
「熱い志を持った人」だと思います。

人々の生活が便利になったことと、
こころの幸せはけして連動していない。

日本の美しい自然や四季を感じとり、
豊かな心を取りもどす為には、
小学校から「旧暦」が教えられるようにならなければいけない。

という松村さんからのメッセージは
まさに「こころ塾」の最終回に
ふさわしい内容だったのではないでしょうか。

明治6年の改暦まで使われていた旧暦は
月の形に基づいた暦なので、
それを知っていると
古典や歴史の風景が実に活き活きとして見える。

という話が特に印象的でした。

旧暦には、1日が新月、15日が満月という
シンプルな目安があるので、
関が原の戦い(慶長5年9月15日)や
坂本龍馬が暗殺された日(慶応3年11月15日)は
満月が夜空を照らし、
本能寺の変(天正10年6月2日)は、
新月からまもない闇夜に起こったことがわかります。

確かにそのことを知っているだけで
知識としてしか知らない歴史上の事件が
とても鮮やかに思えてきます。

また、現在では新暦で行われることが一般的な、
桃の節句(3月3日)と端午の節句(5月5日)ですが、
旧暦で考えてみると
より本来の意味に近づきます。
※旧暦カレンダーについて
もっと知りたいという方は、
松村さんが主催する
社団法人大阪南太平洋協会の
サイトもご覧下さい。
http://www.aspa-osaka.com/

桃の節句の3日の月は
新月に近い薄暗い夜なので、
ぼんぼりの灯りが美しく映えるし、
端午の節句に揚げられるこいのぼりとは、
本来は梅雨の季節の雨空に向かって立つ
「鯉の滝登り」を模した姿だったんだとか。

今日では、春の青空になびく
爽やかなこいのぼりのイメージの方が定着していますが、
心身の厄をはらい、ひきしめるための菖蒲湯に入るのは、
春の穏やかな季節より、じめじめした季節の方がよりふさわしい。

そう考えると確かに旧暦で考える方が、
自分と自分の周囲の環境との
辻褄が合ってくるように思います。

毎年の花が咲いた日、
虫の声を聞いた日をカレンダーにつけていくなどをして、
暦と自然の動きを観察し続けていくと
3年くらいでようやく暦が自分の身体に馴染んでくるそうです。

今回の和文化サラダをきっかけに
旧暦生活を始めてみようと思った方もいることでしょう。

今回の講座では2007年の旧暦カレンダーが
参加者の皆さんに配られましたが、
11月に発売される来年のカレンダーと共に
季節を感じるのを早くも楽しみにしています。

 
当日のアンケートから

日本の生活は、自然と共になりたっているのだな。と改めて実感しました。
これからは、旧暦を意識して生活していきたいと思います。
(旧暦卓上カレンダーがあるとうれしいです)

一年間、たくさん素晴らしい講義を提供頂き、ありがとうございました。
どの講座もたいへん興味深く、とても勉強になることばかりでした。
一年前よりも本来の日本人の心になれたような気がします。
ありがとうございました。またの再開を期待しています。

私も先生と同じ時代に広島で育った者です。
自分の親は良く旧暦で判断していたので多少自分も残ってるかな。と思うのですが...
子供、孫たちに伝えたいと思います。ありがとうございました。
楽しかったです。ありがとうございました。
今までこれは何だろうと思ってきたことが今日ようやく理解できました。
とても楽しく受講できました。

本を読んだだけでは旧暦カレンダーはわかりにくかった。
お話を聞いて少しは理解できました。
家に帰って再度挑戦してみます。(今はわかった気がするけれど‥)
★旧暦と「月遅れ」を混同してました。

大変興味深い内容で、来年限界集落に住むにあたって生活に取り入れたいです。

気づくことが多い講座でした。
参考にしてこれから生活したいと思います。
有難うございました。

古来から日本人、アジアに生きる人に合ったリズムというのが分かってよかったと思います。
これからもう少し旧暦を意識した生活を送ってみたいです。
毎回楽しい講演でした。
人選も場所も内容もお菓子もスタッフの対応も皆素晴らしかったです!
市田ひろみさんの講演中止が残念でした。
一年間ご苦労様でした。ありがとうございます。
半年の参加でしたが、いろいろな方の専門的な話が伺えてとても楽しくおもしろく、
毎回参加するのがとても待ち遠しかったです。
旧暦で暮らそうも知りたかったことが分かって、
ぜひ生活にいかしたいと思います。
ありがとうございました。また参加させてください。
暦が自然と深く関わっている事を改めて感じました。
スローライフや環境保護‥色々と流行りのように取り扱われ、
いつの間にか忘れてしまうことも多いですが、
昔から自然を敬い共に生きてきた日本人として改めて、
これからの生き方を見つめ直したいと思いました。
そして一年を通して参加させていただき、又、もっと多くの人に参加してほしいと思います。

スタッフ後記

前期、後期とあわせて計11回の和文化サラダ、
毎回の受付やお茶だし、会場準備などを主に担当していたのは
ほとんどが和の学校のボランティアスタッフでした。

最終回のスタッフ後記は、住所も職業も年齢も様々な
ボランティアスタッフからの「ひとこと」を集めてみました。

※50音順、アルファベット順

〜 和文化サラダを終えて 〜
ボランティアスタッフのひとこと
山や海に囲まれ、四季折々の豊かな自然にはぐくまれた和の文化、
サラダのごとく一つずつおいしさを味わい、一つずつ新たな発見をしました。
一番の強い印象は「花政」さんのまさに「日本のこころ」の生花で毎回楽しみでした。 (えん)
和文化サラダに2回の参加でしたが、今まで触れたことのない内容に触れさせていただいて感謝してます。
仕事面でITに関わっているため新鮮でした。これからもどんどん協力します。(大阪のおっさんM)
いろいろな和文化の入門編を学ぶことができてとても楽しかったです。また機会があれば参加したいです。(賀茂なす)
いつも楽しく参加させて頂きました。
ボランティアの皆さんとお会い出来るのが嬉しかったですし、
また和文化サラダの講座そのものをいつも楽しみにしていました。

個人ではなかなか入れない所や
また一般には接する事の出来ない講師の先生の方々との出会いなど
貴重な経験が出来ました。

有意義なこのこころ塾を広く広める事と
私たちボランティアが各々に誇りと自覚そして責任を持って動ける事を
目標にしていかなければと思います。

本当に参加出来たことは私の誇りです。
事務局の吉田さん山下さんありがとうございました。(紅楓)
はじめて参加した和文化サラダ。
旧暦の勉強する場が少ないので、とても良い経験となりました。ありがとうございました。(双葉葵)
「マンネリを恐れないのも、大切」 マンネリと思われるほど、認識されているということだし。
 特に、現場では、和文化の、シャーロック・ホームズとワトソン君になれ! (松尾宇人)

今になって思えば、もっと協力させて頂きたかったと思っています。
知らないことを沢山教えていただきありがとうございました。(山科)

和文化サラダ、しゃきしゃきとしておいしかったです。ありがとう。(A.Y)
お茶出しをメインにお手伝いをさせていただいておりました。

1番最初に季節のお菓子を拝見できること。
そして、花政さんがお花を活けている姿を拝見できること。
そして何より始まる前、いろんな雑談の中で、参加されている方よりも
少しだけ引き出しの中身を増やすことができることがお手伝いをしていてうれしく思うことです。

なにげなく時間が流れ、四季を体温ぐらいでしか感じることができない中、
和サラでは、日本のこと、季節のことがきちんと感じられる時間です。

話しを聞くだけでも、日本に生まれて良かったとつくづく感じることができました。ありがとうございます。(I.N)
初めて参加の和文化サラダ、みなさん熱心にお話しを聞いておられました。シンビの方も親切でした!!
1日も早い和文化サラダの復活を待っています。
スケジュール合わせて手伝いに来れたらいいなぁ・・・と思っています。(J.T)
和サラダ、とても楽しい企画でした。
参加してくださった方も、毎回たくさんだったと聞いています。

次回は、もっともっと幅広い年代の方にも参加いただけたら、
次に繋がる大きな一歩になると思ったりもします。

大人子供も関係なく混じって、伝統文化に触れる、
これがいちばんよい継承の形だと思います。

家庭の延長にある日本文化、そんな小さなところからのアプローチが、
和の輪を広めるのだと、信じています。(M.K)
和の文化、いろんな角度から再認識でき勉強でき、感謝です。
これからの日本の文化を大切に伝えていって下さい。(M.O)
初参加が最終回という、もったいないけれどとってもすてきな回でした。
以前から興味のあった旧暦を月と人の関係に、
これからもっと勉強していきたい。また参加したいと思いました(S.E)
京都に来て半年の、ピカピカの京都1年生です。
和の学校を通して、日本の文化やそれに携わる方々と触れ合うことができ、
とても有意義な時間を過ごさせていただいてます。
今後もよろしくお願いします(W.N)
受付のお花は可憐なサギソウ。
書家の紅楓さんは、
毎回いろいろなハリガミから
タイトルまで書いてくださいました。
ありがとうございました。
今回も素敵なお花を生けてくださった花政さんの藤田修作さん。
本当にありがとうございました。

毎回、美しい日本の季節を感じることができました。
 

今回で「和文化サラダ」は最終回です。

ご参加くださった皆様、このレポートを読んでくださった皆様、講師の皆様、
お菓子をご提供くださった皆様、会場を貸してくださった皆様、
いろいろご協力くださった皆様、 シンビさん、花政さん、読売新聞さん・・・
そしてボランティアスタッフの皆様!

本当にありがとうございました。お疲れ様でした。

毎回、試行錯誤の連続で、反省ばかりしていたように思います。

でも、確実に見えてきたものもあり、これもこれに関わってくださった皆様のおかげだと思います。

これからも共に、日本の文化とこころを伝えて行ければと思います。

新しい企画も進行中です。
またお知らせいたしますのでご期待ください。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
NPO法人和の学校 こころ塾担当 吉田理恵子

平成19年4月〜9月 講座内容と各先生のプロフィールはこちら


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