和文化サラダは日本文化のエッセンスを
サラダボウルのようにいろいろ体験できる講座です。
季節をテーマとして、その道の先生に優しく楽しく語っていただきます。

これは和の学校ボランティアスタッフが「サラダ隊」となって
それぞれの感性で書く「和文化サラダ」レポートです。

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和文化サラダ 第1回 平成18年10月19日(木)


   〜食べること、祈ること〜
 
レポート:サラダ隊 万願寺とうがらし  写真:松尾宇人

会場に陳列された、稲穂、あわ、ひえ、きび、赤米、黒米
花:秋の実り
花政 藤田修作氏
第1部 山折哲雄先生講演

宗教学者の山折先生に
ご自身の体験も踏まえて、
お米についてのお話を講演いただきました。

戦争もあって青春時代を過ごされた
岩手県花巻の農家での生活が、
山折先生と米との原風景でした 。

そこでは飢饉に備えて、
米と雑穀(主に稗)を作っており、
普通に食べていた稗めし・粟めしは美味しくなかった・・・
そんな思い出話から、講演は始まりました。

そういった青春時代の「米」と
自分との関わり、
30代での大病した後の
おかゆの美味しかったこと、
その後も度々「米」によって“エネルギーが溢れた!”という自らの実体験を通しての
「米」の力を平易にお話いただきました。

また、古来より「米」「稲」の「魂」がまつられてきたこと。
こと秋の収穫祭・感謝祭は、稲を中心に行うこと、
稲の神に対しての感謝や翌年の豊作を祈るお祭りであること
(代表的なものが、「神嘗祭(かんなめさい)」「新嘗祭(にいなめさい)」)。
日本では「米」が国の基礎であったことを解説いただきました。

その中で、中世以降「稲」の神様が老人(翁)の姿をしていたこと、
日本の神様は極めて抽象的・イメージ的なものであるが、
地上に姿を現す時は「老人」の姿であり、
「稲」の神と同じ扱いであったというお話などは、非常に興味深かったです。

最後に、昭和40年代以降の「稲作」から
大型化・機械化を前提とした「米作り」という考え方の変化によって、
「稲」にある魂という観念、「米」を大事にすることや、
収穫祭の意味が失われてきたことにも言及されました。

“「米一粒」を大切に”そういった教育を受けていない世代に、
今後その精神をどう伝えていくか、非常に難しい課題であることを痛感しました。

 


第2部 和の学校「たがやす会」のメンバーを交えてのディスカッション


第1部でもありましたように、
現在私たちは、本来の「稲作」をなかなか体験できない状況にあります。

和の学校の「たがやす会」では、
機械などに頼らず
手作業することを基本として、
参加者全員で米作りを行っています。

今回は、新米の収穫を終えたばかりの
「たがやす会」のスタッフより、
スライドによる会の活動報告をしました。

また、今年初めて参加された齋藤さんや大原野の農家佐々木さんにもお話いただきました。


その後、参加者の皆さんから
感想を聞きながら、
ディスカッションをしていきました。

今日のおやつは「たがやす会」で収穫したばかりの新米のおにぎり!

山折先生は参加者の質問や意見に気さくに答えてくださいました。 京都市西京区大原野で農家をされている佐々木さん。80歳。
和の学校では、佐々木さんに田んぼを借りて「たがやす会」の活動しています。

 


サラダ隊 万願寺とうがらし の 思ったこと

山折先生・参加いただいた皆さんからのお話を聞きながら、
毎日普通に食べている「お米」が、日本人にとっていかに大切なものであるか、あらためて考えさせられました。

ご意見をいただいた中で、とても印象的だったのが
「田んぼのある風景が好き。四季がはっきりしていることを感じる。
人の手がかかっている田んぼの風景はとても美しいと思う。」というものでした。

海外での遠征先で必ずおにぎりを食べて勝ち進んでいた、という話を聞いたことがあります。

ご飯は日本人のおおもと!
最近なんてことない水田の風景、秋の稲穂の風景、本当にほっとしますよね。

テニスの伊達公子さんが現役時代、
は、雑穀米の栄養価が見直されちょっとしたブームにもなっていますが、
今回の講座をきっかけに稲や米の心を、少しでも多くの人と共有していきたいなと思いました。
 
当日のアンケートから

○山折先生の話は堅苦しくなく、それでいて深い内容でした。
  米という切り口から和文化の深いところに触れることができて、
  いろいろと感じさせられました。先生が私達と同じ目線で語られ、
  ざっくばらんに話せるこのスタイルはとてもいいと思います。
  次回以降も楽しみにしています。

○日常何気なく食べているお米から話がひろがり、
  とても興味深くお話を聞くことができました。
  現在食育が大事だとよく言われておりますが、
  子どもに3食作りながら何をどうすればいいんだろう?と思っていたのですが、
  今日のお話を伝えることができればと思っております。ありがとうございました。

○米大好き、米第一主義者の山折先生らしい愛情の感じられるお話だった。
  日本の歴史と深い関わりを持ち、神・信仰・習慣、全ての根底にあることを再認識した。
  私は子供の頃から「1粒のお米の中には3体の神様がおられる。決して粗末にしてはいけない」と言われて育った。
  「もったいない」も染みついているが、やはりお米に関しては最も強く感じる。
  「稲魂」「穀霊」など、なんて素晴らしい言葉があることか!と感動した。稲の語源にも感動した。


スタッフ後記


当日は3時に集合し、まずはご飯を炊き始めました。

スタッフを含めると50人近く・・・。
結局3回に分けて炊きましたが、この新米のおにぎりの美味しかったこと!
参加された皆さんにもご満足いただけたと思います。

和文化サラダ初回に加え、
この講座の企画者である和の学校の吉田さんが
ご実家のご都合で急遽来られなくなったり、と
それ以外にもハプニング続出の今回でありましたが、
多くの方々にもご参加いただき、なんとか無事に終わることができました。

スタッフの皆さんもお疲れ様でした。

「お米」という少し硬めのテーマで、少々なりとも心配しているところがありましたが、
終えてみると「和の学校」の講座として、
とても相応しいものであったのではないかと再認識しました。

私自身も来年は「たがやす会」にぜひ参加してみよう!と思いましたし、
今後も和の学校として「お米」をいろいろな切り口から伝えていければと思っています。

ありがとうございました!


おにぎりを作っています。
結構大きいおにぎりです。
おにぎりを配っているところ。
大好評でした。
書家の紅楓先生もスタッフです。
タイトルを書いています。
 
お花を生けてくださった
花政さんのご主人
藤田修作氏。
受付にも美しいお花を生けていただきました。

 

次回は、11月10日(金) 「紅葉 〜秋を染める〜」 吉岡幸雄先生 です。

日本文化そもそも レポート
平成23年1月30日「祈りと文化5」仏教と先祖教 梶田真章氏

和文化サラダ レポート


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