京の菓子は四季の風情や趣向により色や銘を変え、季節によって扱い方も変わる
「いやぁ・・もうそんな季節になりましたんやなぁ・・・。」
和菓子を出されたお客様が喜びの声をあげられます。

今でも京都の旧家では「いつお客様が来られても、心のこもったおもてなしができるように。」と、
毎日季節の和菓子を取り寄せています。
お客様はその出された和菓子で、季節を感じ、職人の技に感心し、
主人のおもてなしの心に感謝をします。

和の学校では2001年3月〜2002年2月までの1年間、
ほぼ毎日京都の和菓子の歳時記をお届けしていました。

和菓子ひとつ、でもそのひとつに 日本人の美意識が込められています。
そんな季節ごとの和菓子のおもてなしをどうぞお楽しみ下さい。

1月 睦月        2月 如月        3月 弥生         4月 卯月

5月 皐月
       6月 水無月      7月 文月
         8月 葉月
  
9月 長月      10月 神無月     11月 霜月        12月 師走



茶の湯と菓子


 京菓子が、今日のように美しい意匠や菓銘を持つようになったのは、茶の湯の影響であったとされ、今日では、お茶の菓子は京菓子の代表的存在となっています。
 茶の菓子は懐石の一部を構成し、桃山時代から江戸時代に至る茶の美意識の深まりと共に菓子も洗練されたといえますが、また菓子に銘が付けられることによって、有職菓子と同じく、 菓子創作の要素として古典文学などについての要素が必要とされ、製作技術の一層の向上を促したと考えられます。
 お茶の菓子には、濃茶用の主菓子(蒸・生菓子)と薄茶用の干菓子があり、干菓子は乾菓子とも書き、乾いた菓子のことで落雁・有平糖・煎餅の類のことをいいます。
 主菓子の大切な条件の一つは奥床しさにあるとされ、素朴な形、野趣ある味、そして優雅な銘が好まれます。一方の干菓子は、その形や彩りの冴えた美しさが命であるとされますが、何れにしても茶の湯の取り合わせの大事な要素の一つとして、茶趣を深めるものでなければなりません。
 菓子はよく五感の芸術であると称され、視覚・触覚・嗅覚・味覚・聴覚の五感を満足させるものですが、特に聴覚の要素である菓銘は、花鳥風月や風景など清雅な日本的感性のものが多く、それによって一層の味わいと風情を高めてくれます。
 京菓子の歴史を考えると、まさに京菓子は京都1200年の文化の結晶であるということができます。しかも京菓子は、その技術を伝統として伝承するだけでなく、今も菓子司達の日々の研鑚や創意工夫によって、新しい銘菓がつくられているところに、京菓子の魅力があるといえます。


和菓子研究家 鈴木宗康 (淡交社刊「淡交ムック 京菓子」より)

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